味覚障害     

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塩分濃度の違いが解らない、甘いのに苦く感じる
何を食べても味がしない、などの症状を訴える人が
最近多くなってきています

この様な味覚障害名患者がこの
10年で2倍に近づく勢いで
全国では
毎年約14万人の患者(平成4年度)が発生しています
平成15年度では何と24万人(日本高等咽頭科学会の推計)が
発生しているそうです。
この病気は高齢者が多いのが特徴でしたが、最近の傾向としては
若い患者の増加が目立って来ています

その原因として挙げられるのが、若者の偏食(栄養の偏り)と、
食事代わりに食べるスナック類だと言われています

本来、味覚は生きていく上で一番大切な神経です
食物を身体に取り入れる時に、味覚がその関所となる
大切な神経だからです
その為この器官の老化も他の神経細胞よりも遅いと
言われています

その
味覚傷害の原因の55%は亜鉛の不足から起きています
若者の大半はこの亜鉛不足が原因だと思われます
偏食が進むとどうしても、亜鉛が摂取できません
又、スナック類を多くとり過ぎると保存料が亜鉛の吸収を
妨げ亜鉛不足を招きます

では亜鉛はどの様な働きをするのでしょうか
人間の身体は酸素、炭素、カルシウム、リン、ナトリウム等の
準主要元素と鉄、亜鉛、等の微量元素からなっています

この微量元素は体重70kgの成人で10mgとほんのわずかな
量に過ぎません しかしこの微量元素は新陳代謝を促す
大変重要な役割をになっています

その中の亜鉛は細胞の再生(細胞分裂)を促す為に
最も重要な元素です
その亜鉛が不足すると舌で味覚を感じる細胞(味蕾細胞)
の再生が行われなくなり味が感じられなくなります

その症状は異なりますが、何を食べても同じ味に感じたり
塩味が全く解らなくなったりといったような事が起こります

そのほか亜鉛が不足すると免疫力低下、成長の低下、皮膚炎
爪の異常、男性では精子の数が低下するなど
様々障害を起こします

また、今若者の間でよく言われる「きれる」と言う
症状も、この亜鉛不足が原因と解って来ました

万が一、亜鉛欠乏による味覚障害が疑われたら
1ヶ月以内に治療すれば80%が快方に向かいますが
6ヵ月を境に治癒率が急速に低下し治癒率は50%以下に
なってしまいます

おかしいと思ったら直ぐに耳鼻咽喉科に診察を受けた
方がよいでしょう

最後に
亜鉛を多く含んだ食品
牡蠣等の貝類、たらこ、シシャモ、海苔、あずき、豚のレバー
牛のもも肉、ココア、抹茶、緑茶、豆腐、きな粉、煮干 などです
味覚障害になら無い為にもきちんとした食生活を
心掛けたいものです