こだわりの部屋　

	当店の揚げ油は、ラードを使わず、植物油だけで揚げています。しかも1日に2回、時間を掛けて濾過し新しい油を足します。酸化して、汚れた油は人体にも有害ですし、胸焼けの原因にもなります。当店のとんかつは、揚げ物が苦手な方でももたれないのは油と、きめの細かいパン粉と薄い衣のお陰なのです。
	肉の間に、にんにくを挟んだ「にんにくとんかつ」納豆を挟んだ「納豆とんかつ」梅肉としそを挟んだ「梅しそとんかつ」牛蒡をひれ肉で巻いた「ごぼう巻き」などのオリジナルメニューがあります。この意外な組み合わせがお互いの味を高めあっています。これらの料理には、さっぱりとしたウスターソースを。胡麻の風味を生かしてこってりと仕上げた中濃ソースはエビフライなどに特に合います。
	柔らかく、味のある肉を提供するため、肉はすべて国産を使用しています。特に仕入れには力を入れ、肉屋さんに一任せず、店主が肉１本1本に目を通し、選りすぐりの豚肉を仕入れています。しかも、ご注文を受けてからカットします。試しにソースをかけずにそのまま召し上がってください。かならずやお客様の舌に叶うものと思います。
	通常，とんかつの肉の厚みは7-8ミリが限界と言われていますそれを超える厚みの肉に火を通し、しかも固くならずにあげるのはプロだけに出来る至難の技です.
	当店の御新香はぬかずけをお出ししていますが、その糠床は店主の母が嫁入りした時よりの60年以上経った年代物です。ぬかずけは、毎日糠をかき混ぜ酸素を充分に含ませて乳酸菌の発酵を手助けしなくてはなりません。又，かき混ぜる人が違っても微妙に味も違ってくると云われるくらいデリケートな食材です。気温や、季節によっても同じ大根、胡瓜，人参でも漬かる時間が違うためお客様にお出しする時間から逆算して、それぞれの野菜を漬けています。
	にがりを使い、昔ながらの製造法で仕上げるこだわりの豆腐店から仕入れた本物のお豆腐です。 通常の豆腐の2倍の大豆を使用しています。当店のオニオン奴、冷奴を召し上がると、「豆腐というものはこんな味なのか」と驚くのは請け合いです。
	当店の味噌汁の味噌は実は１０ヶ月掛けた自家製味噌なのです（勿論1年間すべてまかなえる量はスペースや時間的に無理なので合わせ味噌として使用）また、だしは昆布と煮干と本鰹節、宗田鰹節（中削り）を使っています。煮干にも何段階もあり、その中でも最上級のものを用いあの生臭さをとるため、空煎りをしてから出汁を採っています。うまみ調味料では絶対に味わえない、旨味の中の甘みもご堪能下さい。
	一般に、とんかつのパン粉のつけ方は、最初に小麦粉をつけますが当店では、その前にドライパン粉をつけます。肉のうまみを逃がさず、カラット揚げる工夫です。最後に付ける生パン粉は、一番細かいものを、使います。粗いパン粉を使うと衣が厚くなりボリュームはでますが油を余計に吸い、油っぽくなり、肉の旨みを生かしきれません。揚げ物でありながらアッサリと肉の旨味その物を味わって頂く為の工夫です。これは、天ぷら店でも同じで、”美味しい”と言われる店ほど、衣は薄いはずです。
	とんかつを油に入れると、どうしても温度が下がります。この時なるべく温度を下げない。これが上手に揚げるコツです。そのためには、厚みのある大きな鍋に油をたくさん入れ、一度にたくさん入れない事です。　　当店では銅製の大鍋で5人前のとんかつしか揚げません。それから、・・・・・・・ここだけの話ですが、当店では、鍋を2つ用意し、始めは150度の温度でじっくり火を通し、170度の温度で仕上げます。少々お待たせするかもしれませんが、美味しく召し上がって頂くための時間とご理解下さい。
	油汚れが付きやすい揚げ物の店だからこそ、念入りに掃除をしています。特にお客様の口に直接入る食物が収納してある冷蔵庫は、毎朝、中のものをすべて出して、掃除をしています。　掃除は衛生面だけではなく、野菜や、肉の在庫管理や、古いものを置かないためにも、重要な仕事です。揚げ鍋は毎日、顔が映るまで磨いています。ちなみに平成6年度の保健所の検査では満点を頂き表彰され、平成10年度には、食品衛生協会より、優良施設賞を平成１３年には埼玉県知事賞を受賞しました。
	私の、こだわりは、手作りです。現代の食生活は、インスタント食品、レトルト食品、冷凍食品など、避けては通れない時代になってきました。家庭の食材でも、これらが多くのスペースを有する様になっています。外食においては、その傾向が、著しくその代表的な物が、ファミレスであり、ファーストフーズであり、コンビニ食です。その様な中で、私は手作りにこだわっています。定食に付いている糠漬けからはじまり、マヨネーズ、ドレッシング、ソース、味噌は全て手作りです。そして、ハンバーグの肉は当店で挽き、合わせています。機会があって、当店に来られた時は、そんな精神も味わっていただけたら、幸いです。