店主の独り言

戻る                           
平成14年12月8日
師走に入ったこの時期、1年の早さにいつも驚かされます
先生も走ると言われる師走 と言う事で今回は先生の話題を一つ
あれは十数年前の歳の瀬も押し迫った頃でした
地元春日部に、蔵をギャラリーにした小さな美術館がありました
その日、入り口に”棟方志功版画展”という看板に、思わず足を止めて入ってみました
そこへ、確か先ほど追い越したはずの老人が入って来ました
受付の女性も、軽く会釈はしたもののいぶかしげな表情は隠しきれません
比較的大柄なその人は、猫背になった肩に古めかしいバッグを斜めに掛け、
くたびれた背広も決してお洒落とは言えない70才過ぎのおじいさんでした
すると、先ほどから奥で談笑をしていた、かっぷくの良い60代の男性が「あっ!先生」と
言うが早いか、その老人に近づき深深とお辞儀をしました
「先生、わざわざありがとうございます」その声に2,3人の人寄ってきて「先生」「先生」と
集まって来ました 意外な展開に版画もそこそこに、私は成り行きを見守ってしまいました
「先生、実はこの作品なんですが」と一枚の色紙を持って来がました
「お恥ずかし話ですが、これは何て書いてあるのか解からず困っている処なんです」
「いやー、私なんかに解かるでしょか」と、その老人は言いながら作品に目を通しました
そこには”イめはふかす あゆめは春の風”と書いてありました
少し間を置いて「この”イ”とはこの一文字で佇むの省略したものでタタズムと読みます」
「また、濁点はこのような詩の場合付けないので、”佇めば吹かず、歩めば春の風”と
読むのでしょう つまり春の緩やかな風はそよそよとふくので、風に向って歩いて始めて春風が
ふいているのに気付く そのわずかな春風を詩っているんだと思います」と
解説したのです。 いつのまにか、4,5人になった人の輪から一斉に感嘆の溜息が漏れました 
すると先ほどの男性が「先生有難うございます、次いでと言っては大変恐縮ですが、
この色紙の裏に、この詩が解かる様に書いて頂けますか」と受付に有った小筆を
持って来ました 「いやー、大先生の裏に私の拙い字を書いて宜しいんですか?」との問いに
「先生、是非お願いいたいます」大きなお腹が邪魔する事も忘れ、また深く頭を下げました
「じゃ失礼して」と、肩に下がっているバッグを後ろに廻し、その色紙の裏にサラサラと
書き上げました その達筆な事!  いつの間にか更に大きくなった人の輪から
何処からと無く低い唸り声が漏れました
私は三つ葉葵の印籠を見せつけられた悪大名の様に、思わず 「参りました」と
ひれ伏したい衝動に駆られました
あれから早十数年、私も年をとったらこんな老人になってみたいとその時は思ったものの
毎日の忙しさにかまけ今に至っています 反省
平成14年11月7日
相変わらず平日となるとお客様もまばら。子供達も幾らか手が離れ、夜の営業も主に出るように
なった家内がレジの前の椅子に座っていました。「あれ?ママ白髪 」ふっと見るとカチューシャの
脇に1本白いものが光っています 「 え? 」「そのまま動かないで」
静かに頭を下げジーっとしている家内 「結構有るね」と次から次へと出てくる白髪を抜いていると
家内がぽつんと「苦労が多いもんね」と呟きました。私は明るく「歳だからでしょ」と
答えたものの、家内の言葉に頷いていました。
結婚してからという物、バブルは既に弾け、売上も年々落ち、母から店を任されたときは
瀕死の状態。それを支出の大幅カットで何とか切りぬけました。
そして、昨年は親戚が自己破産に追い込まれ連帯保証人になっていた私が、それに伴い多額の
負債を背負う事に。子供の為にと掛けていた学資保険は勿論、家に有った洗いざらい
すべてのお金を出し、それでも到底追いつかない金額でした。
そこで、家内が先頭を切って親戚周りをしてお金を借り集め何とか目星をつけました。、
今年には寝た切りの父の看護に母が腰を痛め、家内からの「私達が面倒見ようか」の
一言で父を引き取る事に。最近では「パパ、朝起きるの大変そうだから、幾らか早く寝られる
私が変わるよ」と毎朝6時の父の点滴を家内がする事になりました
幾ら手が掛からなくなったとはいえ、2人の子供はまだ小学生。その育児に追われ、
店を切り盛りし、寝たきりの父の介護と、そんな家内を見るにつけ
彼女以外の人と結婚していたら果たして同じような事が出来ただろうか
と、最近思うようになりました。
「何か、こうして白髪をパパに抜いてもらうのって幸せだな」と又ぽつり
今日、11月7日は家内の誕生日「ママ、おめでとう! そして、心から ありがとう! 
平成14年10月10日
当店のホームページを開設してから萬2年を向えました
予想以上に多くの方に訪れて頂き、毎日カウンターの進み具合を見るのと、時々お客様から
のメールを読ませて頂くのがとても楽しみです
それが必ずしも来客数と結びつくかといえば、そうは問屋が下ろしてはくれません
しかし、若干若い人の割合が増えた様にも感じますが、この不景気、お客様の総数は激減!
週末の稼ぎ時でさえ思う様に来ていただけないのが現状です
そんな中、当サイトを見て国分寺から来た云う2名連れのお客様がお見えになりました
車で片道2時間以上掛け来店して頂き、本当に有難い気持でいっぱいでした。
(召し上がったハンバーグを誉めて頂きました)
今、私が出きる事は安易に値段を下げたり(品質を落す事)品数を増やす事(手抜きに繋がる)
では無く。来て頂いたお客様に「アー来て良かった」「イヤー美味しかった」と満足いして頂く事だと
思っています。他では味わえないとんかつ一幸の味を日々磨いて、心より満足して頂く事、
それが、今私がやらなければいけない、最も重要な事と感じています。
こんな時だこそ、お客様の「美味かった」の一言にこだわって行きたいと思います。
安い価格を売り物にしている店はいくらでも有ります。
その渦に巻きこまれ、右往左往して自分を(味を)見失う事は
今まで、閉店を余儀なくされた同業者を見れば一目瞭然、決して賢明とはいえないと思うのです
しっかりと地に足をつけ、時代に翻弄されない強い心持こそが私の進む道と考えています
これからも、自分の信じる道を歩んで行きたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
「ふー」少々肩に力が入ってしまったようです
平成14年9月15日
仕事で一番神経を使うのは肉を仕入れる時です。
何故なら、とんかつの味の8〜9割は肉のできで、決まってしまうからです。
95点以上極上の肉は見て直ぐに判るのですが、そんな品物は2週間の内1,2本しか入ってきません。合格ラインの80点前後の肉を見極めるのが神経を尖らせます。
仕入れの時はロースで4本から10本の選り抜きの品物の中から1、2本選びます。(これは決してオーバーでは有りません)今日も肉屋さんには、厳しいチェックを入れます。
「今日のは良いのが揃っていますね」
「うーん弱ったなー、これじゃちょっと使えないなー。他には無いですか」
「わー今日のは良いなー、毎日こういうのが入ればねー」
仕入れのたびに、こんなやり取りが繰り返されます。
そんなある日、「あれーこれちょっと、まずいなー」「ほらここ見て、ね、フケテル(やや白っぽく食べると硬く、味がない)でしょ」「何処ですか?」「ほらここ、よーく見て」「うーん」
肉屋さんより肉を見る目は絶対的な自信がある私は次第に舌の滑りに加速がついて行きます。「ほら、ちょっとここ触ってみてほんの少しパサつきがあるでしょ」「この品物自体は挿し(霜降り)の入りも良いと思うけど、フケガ入ってたんじゃね」たまたま居合わせた妻も成り行きを見守って居る様子。心なしか今日の私を見なおしてる様にも思える。
「触るとほら、ここと比べても弾力無いし」
「じゃー、焼いてみますか」迷った時、なかなか解ってもらえない時は塩コショウをせずフライパンで焼きます。(塩を降ると肉の本当の味が解らないため)
薄く切った豚肉は音を立てながらあっという間に焼きありがました。「ちょっと食べてみて」
「ほら・・・・ね・・・・・・・」  あれ・・・・・柔らかい   暫く沈黙が続き
その沈黙を破るかのように肉屋さんが「柔らかいですね」と低い声で呟きました。
「そ、そですね いやーだから肉は難しいよねー」気が付くと、さっきまで感心していた妻はスーッと音も無く立ち去り、肉屋さんの口元は心なしか笑みを浮かべていました。
平成14年9月9日
先月、春日部を局地的に襲った雷雨で、22年間何とかもっていた看板の片面が
大破してしまいました。 しかし、この不景気の中なかなか予算がとれず、
何とか会計に工面してもらい、遂に新しい看板を付ける事に決定しました
そして、この機会に看板にコピーも入れる事にしたのです
私の案はやはり「こだわりの味!」  それを当店専属のコンサルタントに打診してみました
するとそれに対してこんな答えが返って来ました
「こだわりの味」は今は流行かもしれないが、看板というのは長い間書き換えできない物。
いずれ廃れてしまう流行語はこの場合使わない方が無難  それより在り来たりであっても
風化しない言葉がいいのではないか・・・・と、そして自ら「変わらぬ味」はどうかと
案をだして来ました。 なるほど、お客様が「いつ来ても美味しいね〜」とか
「久しぶりに来たけれど、昔食べたそのままの味だよ 嬉しいね」と誉めて頂いた事を
その時思い出しました。そして今の時代変化ばかりを追っている時に、その反対も面白いかな 
と言う事で、何の変哲もない、しかし言われると頷ける「変わらぬ味」に決まりました
看板は長い間人の目に触れるので、流行りの言葉はいずれは古くなる
との指摘は説得力の有る言葉でした。
因みに、当店の会計とコンサルタントは家内である事は言うまでも有りません
平成14年8月20日
当店は、平日の昼の営業に限り女性のお客様に、ババロアをサービスでお出ししています
始めての女性のお客様は顔をほころばして、嬉しさを表現してくれます
(これが、男性に限りなどと言ったら、恐らく大変な事になるでしょうが)
男性のお客様の中には「女装して来れば良かったかな]と冗談を言われたり
「このデザートで今日1日かみさんが、機嫌良く過ごしてくれるとしたら僕も嬉しいよ」と
おしゃるお客様もいらしゃいます。
女性の笑顔とそれをも見守っている男性のお客様に感謝!
平成14年8月2日
朝の仕込みの時です
当店(ウチ)の車を”クラッシック”と命名してくれたベッカム風の青年が又、営業に現われました
「今日は商品の紹介に伺いました」と言うなり、こちらの都合はお構いなく、おもむろにバックから
霧吹きを出し、大きな口をあけその口の中にシュッシュッと勢い良く吹きかけました
前振りもなく、いきなり営業モードに入ったようです
「安全っていう事?」「はい!そうです」「それで・・・・」「いいですか、ちょっと見て下さい」
今度は手のひらにその液を吹きかけ、得意げな顔でリトマス紙を出しそこに当ててみました
「ほら、色が変わらないのが解かりますか」「中性って言う事?」「そうなんです」
「結局何がいいたいと言うと、・・・・・・」とマニュアル通りの売りこみが始まりました
強酸性何とかと言うのが殺菌作用とキャベツをパリットさせる引き締め効果があると言う事でした
その間約10分、「何だキャベツをシャキッとさせるんだったら当店(ウチ)の方が
ノウハウ持ってるよ」「はい?」「ほら見てて」丁度キャベツの仕込み中
今切りたてのキャベツの千切りを水にさらし、さらにそれを、昨夜から冷しておいた冷水に
漬けました「ほら、こんなにシャキッとするでしょ」「本当だ」「ね!だから別に強酸性何とかは
必要無いでしょう」「いやー凄いッすね、車も凄いと思ったけどキャベツも凄いっすね」
と関心したはしたものの、売りこみが出来ない為か首を傾け、肩を落しながら去ってい来ました
でも、今のは何だたんでしょうか? 一つ言えた事は、お陰で開店の時間が遅れたと言う事です
平成14年7月11日
私はよくお茶を飲みます 営業時間の時もお茶は欠かしません
スタッフもそれを知っていて、急須にお茶が残ると私の湯のみによく注いでくれます
ある日の事、50代男性のお客様と話しに花が咲き、気が付くと昼の閉店時間が過ぎていました
慌てて、のれんを下げに行くと、それを期にお客様も席を立たれ帰られました
私は喉が乾き、いつもの様にお茶で喉を潤しました
ふーっと大きく息をつき、目を移すといつもの調理料入れの上にもう一つの湯のみが乗っています
あれ と言う事は今手にしている湯のみは・・・・? も、もしかして 今帰られたお客様のお茶?
そう言えば、あのお客様がカウンターの上にわざわざい置いて下さった事を思い出しました
そのお茶だ!しかし、時既に遅し これって中年男性との関節キスと言う事ですか? 
平成14年7月7日
今日は七夕 年に1度だけ織姫が愛しい彦星に会える日です
梅雨時には珍しく天気が良かった今夜、無事天の川を渡る事が出来た事でしょう
ところで、幸いな事に?私は自営業の為、一年365日家内と会わない日は在りません
そんな中、先日昼のワイドショーでこんなアンケートが有りました
町でご主人が、若い女性と連れ立って歩いています
それを見た妻であるあなたは、家に帰ってご主人にその事を話しますか?
それとも、黙っていますか?という内容でした
私の家内は、間違い無く問いただすにだろうと思い、仕事が終ると、早速聞くことにしました
「ママだったら黙っていないでしょ?家に帰るなり鍋が飛んで来たりして」
すると、間髪入れずに「そんな事はしないでしょ」
「え?じゃー黙っているの」「まさか、家に帰る迄なんて、そんなのん気な事言ってないで、
その場でどういう事か説明してもらうに決まっているでしょ」「・・・・・・・・・・・だよね」
私の場合、こんな情事にに発展する事は決してない事を、今日 改めて認識しました
「ところで、アンケートの結果はどうなの?」と家内
「え?何だっけ」私にとってその結果はどうでも良い事になっていました
平成14年7月4日
昼の営業が終わり、自分達の昼食をすました頃、何度か見た事のある青年が裏口から
入ってきました。 「今日は別にたいした用事ではないんですが、これから夏に掛けて冷蔵庫
の様子を見のに伺いました」と言うなり、厨房の中ほどまで入いってきました。
恐らく 今 流行りのベッカムヘアーと思われる彼の髪は、頭のトップだけがピーンと立ち
一歩間違えれば寝起きのまま営業に廻ってしまったかと思わせる、そのヘアースタイルで
親しげに話しかけて来ました、
「よく社長の車見かけますよ」「いやー、凄いっすよね」(あれ?家の車そんな凄かったっけ)
「何が凄いの?」「いやー、滅多にあんなクラッシック見ないですよ」「あははは・・・・・は?」
(それって、古いって事?)「そっそーなんだよね、この間も調子が悪くて車屋さんに出したら
”買い換えた方が良いんじゃないの”なんて言われちゃった」
「でも凄いっすよ」 「何キロ走っているんですか?」
「5万キロか6万キ位かな、ほら市内しか走らないからキロ数は少ないんだよね」
「あ、そーですか でも、凄いッすよね」(いったい何が凄いのよ)
「塗装も薄れてきてるし、ボロボロだよ」「でも、道を走っていると、直ぐ社長の車だって判りますよ」
「ははは・・・・買い換えたくてもこんな時代だから中々ねー」「またまた、そんな事言いちゃって」
それから、おもむろに冷蔵庫の室内温度を測り「もう少し庫内の温度を下げた方が
良いと思いますよ」と言って帰ってい来ました 何とも言えない余韻を残し 
しかし、あの青年が”凄い”を連発する程、そんなにも目だっていたとは・・・・・・・
今の売上では、買い替えの予算は出ないし、こうなったら、とことんクラシックにこだわりますか
平成14年6月20日
当店の入り口の引き戸は、今時珍しく手動です
お客様中にはそれとは気付かず、ドアが開くのを、暫く待たれる方もいらしゃいます
その引き戸を支える滑車が最近減った為か、扉がピッタリと閉まらず下に隙間があいています
来店されるお客様の中には、その隙間が気になるり、賢明に閉めようとしてくださる方が
いらしゃいます。 片手では無理と解かると、次は両手で・・・・・・・・
それに気が付き「すいません、引き戸が傾いていますので、それ以上
閉まらないんです」とお伝えすると、フッと我に帰り苦笑いをして席に付かれます
早く、直さなければと思いつつ、中々実行に移さずにご迷惑をお掛けしています
大変申し訳ありませんが、私の気持が高かまるまでの少しの時間まで、今しばらくお待ちください 
平成14年5月29日
食事の時です
上の娘が悲鳴に似た叫び声をあげました「あー!ウィンナー 落しちゃった」
めったにお目に掛かれない、大好きなウィンナーを落してしまったのです
「ママ、これ食べて平気?」と心配そうに聞く娘 「じゃー、私のと取り替えてあげる」と家内
「ありがとう」というが早いか、かじりかけの落したウィンナーを元の皿に入れ
新たなウィンナーを自分の皿に移しました
一人3本の割り当てのウィンナーを、私と家内は既に2本づつ胃に納め、皿の上には
先ほどのかじりかけと、無傷のウィンナーの2本が並んでいます
なにくわぬ顔で無傷のウィンナーを口に運びました 
すると家内が「やっぱりね!」「え!?」「え、じゃ無いでしょ」「何が?」「まだ、しらを切って」
「ウィンナーの事?」「そうでしょう、知ってるくせに」吐き捨てるように、更に続きます
「絶対に、そっちを食べると思って見ていたけど案の定、思った通りだったね」
「え、だってママが落ちたの食べるって、話しが着いたんじゃ無いの」
「話しが着いたとか、着かないとかの問題じゃないでしょう」もうこうなってくると
数学の方程式を解くような、理論的な話しは通じなくなって来ます
「ママには落したウィンナーなんか食べさせられないよ、ってどうして言えないのかなー」「・・・」
「私の事、本当に愛してくれているの」こういう時、女性がを盾に攻撃して来ると
男は勝ち目がありません 「何か、パパから愛が感じられないんだけど」更に続きます
「結婚式の時言ったよね、私の事、一生大事にするって、あれ嘘だったんだ」
たかだか、ウィンナー一本で、10何年前の結婚式の誓いの言葉まで出て来る始末
しかし、ここは我慢
右隣の下の娘が耳元で「パパ、愛してるよって早く言ちゃえば」とアドバイスが・・・・
「私の事もう愛していないんだ!」矢継ぎ早の攻撃に堪り兼ねて「そんな事無いよ、愛してるに
決まっているでしょ」「なんで、もっと早く言ってくれないの」急にトーンが落ち、うつむき加減に
「ワ・タ・シ・モ」 と柄にも無く、しおらしげに言いのけます これでやっとの事で一件落着
そして、何ごとも無かったかの様に食事は続きました やれやれ
平成14年5月15日
今年の”母の日”はいつもと少し違っていました
下の娘が「パパ、明日 母の日だけど大丈夫?」と尋ねて来ました
「エッ?明日!!」すると読みかけの本を閉じて上の娘が「明日じゃないよ、12日!」と
参戦して来ました 娘達に一瞬驚かされたものの、今まで親掛かりだった子供達が
自発的に母の日を祝う事が出来るようになった事にl、喜びを感じました
それから2,3日たち、心配性の下の娘が「パパ、どうするの母の日」と言って、引出しから
2通の封をした手紙を差し出しました 「もう私達、ママにあげるお手紙、書き終わってるよ」
なかなか腰を上げそうにない私に苛立ちを覚えたのか、少々語気が強めです
つい仕事に追われ家内が二の次ぎになりがちな私、娘の一言と2通の手紙が胸の奥まで
突き刺ささってきました 
母の日の前日、上の娘が「パパ、もう花買ったの?」と、ついに聞いて来ました
「うん、明日一番で花やさんに行って来ようと思っているんだけど」と言うと「そーだね」と
不安げな顔が、ほっとした表情に変化しました
当日、2人の娘に尻を叩かれ””母の日”を向えました 娘二人で書いた招待状を自ら
家内に手渡し、店の休憩時間に、菓子と麦茶で”母の日”を祝いました
手渡された娘達の手紙は、家内の涙腺を緩め、瞳を赤く染めました
因みに、私達夫婦から母へのプレゼントは塗ると引き締まるとボディークリームです
母は最近ダイエットに凝っているのです・・・
平成14年5月7日
数日前、当店の通りを隔てた生協が新装オープンしました
多くのお客様で賑わう中、子供にフーセンを配るぬいぐるみが見えました
フーセンが大好きな子供達は可愛い手を延ばして集まっています
ご多分に漏れず、臨戦体制が整った娘達も家内と一緒に2階から駆け下りて来ました
下の娘が「ねーパパ、あのプーサンダイエットしたのかな?」と私に聞きます
ぬいぐるみを硝子越しに見ると確かにプーサンにしてはお腹がスリムです
立て続けに「何でそんなに痩せたのか聞いてくるね」と言うと、勢い良く出て行きました
暫くして凱旋した家内の影に隠れていた下の娘が開口一番
「パパ、プーサンじゃなかったみたい だって[本物のプーサン?}と聞いたら顔隠していたもん」
それから間もなくの事です、ダイエットプーサンがパンダのぬいぐるみに変わったのは・・・・・・・・
平成14年4月24日
引出しの物を取ろうとするが、先程から家内がその前で電話中 
待っていても、らちが開かないのは今までの経験から学習済み
そこで、話しの腰を折らないように((折ったら後が厄介)家内の腰を静かに押してみる
案の定、微動だもしません 今度は強く押してみる
何とか山が動き、辛うじて開いた隙間に手を延ばし引き出しから目的の物を取り出す事に成功
電話を終えた家内がポツリと  「何だ引出しの物を取りたかったの?
珍しく私にタッチしたのかと思ちゃった」
「ッエ?!」あまりの話しの展開に次ぎの言葉が見つかりません
最近、何故か家内に押され気味 そう言えば頭も上がらなくなっています
その理由がおぼろげに見えた様うな気が
そこで一句
涸(か)れる程 頭(こうべ)を垂れる 亭主かな
(頭を垂れるのは稲穂ばかりでは無いようです)
平成14年4月1日
「ねー今日何の日だか知っている?」と下の娘が朝食のトーストを食べながら私に聞く
「えっ今日は・・・」カレンダーを見ると4月の1日  「エイプリルプールの日だね」
「そう、嘘を付いても良いんだよね」 「そうだけど・・・」
「うん、だけど良い嘘だけだよね」「そうだね」「人を喜ばしたりとかね」
「その通りだね」うちの娘も順調に育っているなと内心胸を撫で下ろします

そうか、エイプリルフールか 何か気のきいた嘘はないかなーと考える
「ママ、最近スマートになったね」と言おうと思っても、又肥り始めた家内には皮肉にしか
聞こえないし・・・・・・
ない頭をひねる、そうこうしている内に仕事に追われ、ふっと気づくと1日も残り少なくなり
帳簿を付け終わる頃になると既に日付けは変わっていました
「今年も又、気のきいた嘘がつけなかったか」と思う4月1日でした
平成14年3月12日
店をやっていると幾つかの喜びがあります
お客様が食べ終わって「やー美味かった」と思わず、誰に言うでも無くこぼれおちる言葉を
聞いた時、 お子様ランチをお持ちした時「わー美味しそーだねー」と喜んで頂いた時など・・・
そして昨日の事
常連のお持ちかえりのお客様が指定された時間に取りに見えました「〇×ですが」
「はい、ありがとうございます」と顔を上げると背の高い青年が立っています
「もしかして、エー!せがれさん?」「はい」照れくさそうな笑顔で、しかし歯切れのよい返事が
帰って来ました。確か彼が小学校3、4年生以来の対面でした「お幾つになられたんですか?」
思わず敬語が出てしまうほど立派な成人男性に変身?していました
まるで浦島太郎になった様な気分。 よくお歳よりが久しぶりに会った親戚の子供にいう台詞が頭をかすめました”まーこんなに御立派になられて・・・” 今年の1月に22年周年を迎えた店のこんな喜びも有るのです
平成14年2月18日
ソルトレイクオリンピックのカーリング中継をかけているとその選手の事をカーラーと
呼んでいるのに、私は勿論バイトの二人のスタッフも興味をそそられました
「カーリンガーじゃないんだー」と笑いのセンスが1,2を争うEちゃんが口火を切りました
続けて「じゃーとんかつ屋は何て言うんですかね?」と振って来ました
私はすかさず「トンラー?」と答えると以外と受けます
気を良くして「或いはカツラーかな」と言うと更に受けたのは良いのですが
思わず、この所急にボリュームが無くなった髪の毛が脳裏をかすめてしまいました
平成14年2月11日
先日テレビを見ていると、おまけ付きグリコキャラメルやチョコエッグ(オモチャ入りチョコ)などの食玩具の売上が、今だに右肩上がりの伸びを示しているとの事でした 購買者の年齢は予測に反して30代が中心とか、そのインタビューの中で理由を聞かれると、子供の時欲しくても買えなかった思いが、つい買ってしまう・・との事でした
実は私にも同じような経験が有ります
小学校低学年まで毎日の様に銭湯に通っていた私は、風呂から上がると脱衣所に有る冷蔵庫をいつも横目で見ていました。勿論母に言っても買ってくれないのは解かっていたので、めったにねだる事も有りませんでしたが、たまに友達が親にねだって飲む時は「ねー僕も飲みたいよー」と母にねだりました でも帰ってくる言葉は「ダメに決まっているでしょう!」の一言  その思いが悲しいかな、今になってフルーツ牛乳に手を伸ばしてしまうのです 「ゴックン」
平成14年2月3日
今日の最終のオーダーを出し終え、少々早めにのれんを下げる
スタッフに「ちょっと5、6分2階に行ってくるね」と言い残し玄関に廻りこむ
洗濯機の上には家内の指令どうり鬼の面と赤いシャツが用意されいる
そそくさと、着替え今年に入って最初のイベントの幕開けです
傘立に差してあった棒を片手に、つま先で階段を上り部屋の前で電気のスィッチを切る
手順通り激しくドアを開け「鬼だぞー!」「ほらほら何処だ鬼が来たぞー」と第一声
それが言い終わるや否や「鬼はー外!」「鬼はー外!」待ち構えていた家内と
上の娘の一斉攻撃にタジタジになりながら、下の娘を探す 「何処だ何処だ
ほら鬼が来たぞー」奥の部屋を覗いた瞬間、力まかせに豆を投げつけながら
「お、鬼はー外!」と目を見開き必死にありったけの豆をぶつけ続けて来た 
(おいおい、まだ鬼が本当に来たと思っているの?)
そんな思いがよぎりながら「鬼だぞー!」ともう一声
今度は皆の総攻撃が始まる、さーそろそろ退散かと背を向け引き上げる
更に豆が背中を襲う それにしても家内の投げる豆は何であんなに痛いのでしょうか
何か日頃の私に不満でも・・・・ とにかく今年も、無事に豆まきが終了しました。
平成14年1月3日
新年明けましておめでとうございます
昨年は私にとっても決して良い年とは言えませんでしたが
今年こそは穏やかで平和な年であるように願いたいものです
例年の様に初詣は挿絵でも度々出てくる地元の八幡様へ行ってきました
さて正月はチョットしたこだわりがあります
それは必ず着物を着る事です
しかし、これが洋服と比べ実に面倒です
たいして長くも無い足ですが(短いと言った方が正しいでしょうか)歩くにも歩幅は短く
車に乗るのも一苦労です 家にいてもあぐらもかけず、正座か椅子に座るのみ
そんな厄介な着物をあえて着るには訳が有ります
しだいに季節感も無くなり、たとえ正月とは言え一日から営業する店も増えて来ました
私が子供の時は正月と言えば空気までシーンと静まり返り
初詣の神社には振袖を着た多くの女性を見かけたものです
今まで培われてきた文化を絶やさない為、何てだいそれた考えは毛頭ありませんが
かつて私の父がそうした様に、子供達に正月の雰囲気を記憶の片隅にでも
残して置けたらと、そんな考えで額に汗して頑張っています
正月休も終りいよいよ明日4日から営業です
本年も宜しくお願い致します
平成13年12月19日
上の娘は自分で言うのもなんですが大の父親思い
先日もこんな事が有りました
いつもの様に休憩時間パソコンに向かって妻が煎れてくれました
お茶に手を延ばすと、その日に限って湯のみが倒れてしまいました
「あっ!ご免」慌てて見ると妻の手にお茶が・・・・
「ちょっとパパ気を付けてよ」幸いにもお茶の温度は思ったより低く
妻の怒りは虫の居所も良かったとみえ事無きを得ました
その時です「パパ大丈夫」と天使の声が そう上の娘の優しい声がしたのです
気が付くと私の手もお茶が掛かっていたのです
「パパ鼻がふくれているよ」と含み笑いを悟られない様押さえていたのを
妻に見抜かれてしまいました「いいねパパ、こんなにも娘に思われて」
「だけど何でママの事は心配してくれないの」と上の娘に矛先を向けると
ママ思いの下の娘が「ママ大丈夫?」と間髪いれず聞きます
途端に気分を良くした妻 又何事も無かったかの様におやつをそれぞれ
口に運びました 今日一日勝利の気分に浸れた最高の日でした
平成13年12月8日
約一週間ぶりにメール機能が復活しました
私のウイルスに対する意識の低さによって、お客様始め多くの方にご迷惑や
ご心配をお掛けした事に、この場をお借りして心よりお詫び申しあげます
しかしこのお陰と言っては何ですがセキュリティー(ウイルス感染防止)に関する
意識が高まり今まで疎かにしていた事を勉強をする良いチャンスにはなりました
これを期に安心しでお役にたてる一幸通信を配信して行くよう心掛けていこうと
思います。これに懲りず宜しくお願い致します
平成13年11月30日
今、流行のコンピューターウイルスに感染してしまいました
当店から不定期では有りましたがお客様に旬の情報、健康に関わる情報を
少しでも役に立てばと始めたのですが、このウイルスによってそれが裏目に出て
知らぬ間にそのお得意様に迷惑メールが届いてしまったかも知れません
早めに”メールを開かないで下さい”と件名に書いて送ったのですが
ご迷惑を掛けてしまった方もいらしゃると思うと心が痛みます
こんな人騒がせなウイルスを考える暇が有ったら、もっと人の為になる事を
考えた方がどんなに善いでしょうか。
人から感謝される事によって得る事の方がどんなにか多いか
多くの人に迷惑を掛け世の中を騒がせ愉快がっているよりも遥かに気持が
良い事が解らないのでしょうか
心の寂しい人なんですね 
そんな訳で私のメール機能が麻痺して発信も着信も出来ない状態が続いています
ですからメール送ったのに返事も無い、と思われている方がおりましたら
もう暫くお待ち下さい
この場を借りてご報告申しあげます    店主
平成13年11月2日
来ました 来ました
埼玉県の土屋知事からの招待状です
平成5年春日部保健所の抜き打ち検査でなんと満点を取りその時は代表で表彰され
平成10年には食品衛生協会から表彰(勿論その時も抜き打ち検査を経て)
そして今年の8月に保健所の検査が入りました
店の衛生面にはいつでもOKと言えるほど掃除には
時間を掛けているのでこの知事賞の招待状には
内心期待していました
飲食店組合等の特定の団体には属していない当店は
推薦を受けられません。その為受賞の喜びも一塩です
閉店時間は午後の9時それから2つの赤鍋を磨いて
掃除が終わるまで約2時間、混んだ時など日付けが
変っても掃除が終らない事も珍しくありません 
毎朝の仕込みの時も冷蔵庫の物を全て出してふき掃除
そんな様子を見て「そこまで行くと趣味の範囲だね」と
言われた事も。その為か開店22年目を迎える現在でも
ねずみは勿論、ゴキブリさえも一匹も出ません
地道にこつこつやっていた事が今ここで認められて心より感謝しています
本当に有難うございました  (今月の12日が授賞式です)
平成13年10月24日
「イツツツツー」
床から起き上がる時思わず漏れた第一声
手足の筋肉痛で顔をしかめました (アレー何でこんなに痛いんだ) 
起きたてのボーットした頭でしばし考え・・・・・
「あっそうだ!昨日の綱引きだ」
昨日、小学校の親子リクりエーションで下の娘と綱引きしたのを思い出しました
上の娘の幼稚園時代からから何度か綱引きは経験が有るのですが
どうしてでしょうか、あくる日の筋肉痛を充分承知しながら手が抜けません
位置に着くまでは「加減しながらやるか」と思うのですが
綱を握った瞬間「ヨッシャー勝つぞー」ともう一人の自分に入れ替わります
気が付くと手にはマメ、腕には綱を抱えた所の薄皮が剥け赤くミミズバレの状態
唯一助かったのは1回で負けた事でした?
歳をとるにつれ”悔しい”よりもホットする割合が増えて来た事は確かです
これを読んでうなずいているお父さん 頑張りましょう!
平成13年10月9日
独り言も暫く書いて無いと思ったら20日も過ぎていました
さて、今一番の関心事はやはりアフガンの空爆! そして
私にとって同じ位重大な問題は狂牛病です
焼き肉屋さんは殆ど開店休業状態 牛丼屋さんも安すくした矢先にと
同じ飲食業を生業としている私としても 暢気に構えてはいられません
これは自分が努力して乗り越えられると云う次元の問題では無いところに
狂牛病の怖さがあります
これから先、狂豚病?が100%出ない保証はありません
そんな事が起こらない様にただ神様仏様に祈るだけ?です
やはりいざとなると「困った時の神頼み」になってしまいますね

本日からババロアをプリンに変えました
ババロアの原材料であるゼラチンが牛の皮から作るため
念の為、安全が確認される迄ババロアの販売を中止致します
尚、プリンもババロアに勝るとも劣らない手作りの味自慢です
平成13年9月21日
「”やられた!”が口癖ですね」とバイトの学生に指摘され
(そう言えばそんな気もするな)と今までの自分を思い返してみまました
トイレに入ろうと掛け込んで行くと既に妻が陣取っていた時
渋滞の時、車線変更した途端に今までの車線の車がが先に進んだ時
市場で「まけとくから」とその言葉につい乗せられて不良品を掴まされた時
等など
先日の事、休憩時間に電話のベルがなりました
「はい!とんかつ一幸です」
「こちら、〇×商事の00と申しますが」と若い女性の手馴れたの声
いつもの投資の勧誘の様です
「すいません、家はそれどころでは無いので」
2、3言葉を交わし、いつもでしたら矢継ぎ早に商品の売りこみにかかる所が
今回は違っていました
あっさりと「お忙しい所申し訳ありませんでした」と
丁寧な言葉で身を引いた途端に「ガチャ」と切られてしまいました
その時、思わず私の口から漏れた言葉はやはり「やられた!」  でした
平成13年8月29日
最近上の娘が怖い話に興味が出てきたのか、しきりに「怖い話して」と
せがんで来るのです
先日も「ねーパパなんか怖い話して−」とせがまれ何とか一つひねり出し
披露したのですがイマイチ不満げな顔
そこで、矛先を妻に向け同じようにせがみます
すると珍しく二つ返事で承諾「ジャーすごーく怖い話しをしてあげる」
娘は興味津々
「このママの指を見てご覧」 差し出す指に娘と私の視線が動く
「本当はここにキラキラと輝く指輪がはまっていなければいけない筈なの」
「ママは結婚した時から10年後にはスウィートテンリングをパパとの約束
でこの薬指にはめてもらうはずだったのよ」
「でも10年過ぎた今でも・・・・無いわね」
娘「・・・・・?」
「どう?パパこれは怖いわよねー」
「ヒエー!こ怖すぎる」
娘も何となく話しが飲み込めたようで私と妻を交互に見て含み笑いをしています
やはりこの世で一番怖いのはお化けでも幽霊でもなく山の神の様です

追伸
女子大生の方から「山の神って?」との質問がありました
そこで2、3人の同年代の方に聞きましたところやはり「知らない」との事
今の若い世代では”山の神”は死語になったのでしょうか
ところで、質問の答えですが(大辞林より)
俗に頭の上がらなくなった自分の妻の事。特に口やかましくなった妻の事を言う
トホホ・・・ です。
平成13年8月10日
店を始めて20年以上たちますと、小さな御子さんが成長して、見違える様に
一人前の成人になって行く様子を見守る事ができます
それも店をやっていく一つの楽しみでもあります
先日も10数年前に引っ越されたお得意様が突然ご来店されました
上のお子様は既にお父様の背を抜き、思春期特有の恥ずかしげな仕草で
奥の座敷に入られていきました
小学校からの10数年の成長の変化は目を見張るものが有りました
何でも東北旅行の帰りに寄って頂いたそうです
ご家族皆様がお元気でそして揃ってお食事なさるのをみて
本当に微笑ましく思いました
会計の時ご両親から「子達もまだ店を覚えていたみたい」と告げられ
とても心が温かく嬉しくなりました
今度いつお会いできるか、わかりませんが又のお越しを心よりお待ちしております
ありがとうございました
平成13年7月31日  ?
暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い
暑            暑い暑  い暑  い暑い   い暑い暑い暑い暑     い暑
暑い暑い暑い暑い  暑い暑  暑い  暑い暑  暑い暑い暑い暑    い暑い暑
暑い暑い  いい  暑い暑い  い暑  暑い暑  い暑い暑い暑      暑い暑い
暑い暑い  い暑 暑い暑い暑い暑い暑い暑い  暑い暑い暑   い   い暑い暑
暑い暑い  暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い  暑い暑    い暑い   暑い暑い
暑い暑  い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑  い暑い暑い暑い暑い暑   い暑い暑
暑い暑  暑い暑い暑い暑い暑い暑い   い暑い暑い暑い暑い暑い   暑い暑い
暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い

 やっぱり  ア・ツ・イ・
平成13年7月16日
それにしても、連日の暑さには参ります。春日部の直ぐ近くの熊谷が39度を
記録したとニュースで報道していたのは確か2、3日前でした
そこで少々涼しいお話を
皆さんは幽霊を信じますか?
勿論私は信じません そうあの出来事に会うまではそう思っていました
あれは、今から10数年前、当時唯一の従業員のKちゃんと私と両親の4人で
北海道旅行に行った時の事です
旅行も2日目に入りツアー特有の過密スケジュールを終えやっとの事で
洞爺湖添いのホテルに辿り着きました。夕飯を済まし2度目の露天風呂に
Kちゃんと入ったのは既に深夜の1時を過ぎていました
無論風呂場には誰一人いません それどころか明かりも半分消され薄暗く
入る時にも何となく薄気味悪く気乗りがしませんでした
もし、あの時入らずに帰ってれば”アレ”を見る事も無く、今でも深夜の露天風呂を
温泉旅行のたびに楽しんでいたかも知れません
シーンと静まり返った露天風呂に2人で入り、目の前に広がっている洞爺湖を
疲れも手伝って何も話さず眺めていました
すると、湖の向こう岸の山道をゆっくりと移動している一つの赤いランプが見えました
「こんな夜遅くバイクが走っているのかね」「それにしても、やに速度が遅いですね」
「あれ、反対側からライトをこちらに向けて走ってきてる」
「アレ、もう一つ赤いランプが増えてる」「なんだろ」何故か背筋がぞーっとしてくるのが
わかります 理由も無く不安な気持が波の様に襲ってきます
何故か早くこの場から立ち去りたいと、Kちゃんの方を見るとやはり不安を隠し
きれない顔をしています
「そろそろ上がろうか」となるべく平静を装って風呂から上がろうとした時です
風呂の入り口に人の気配を感じました
硝子が外の暗さで鏡のようになり入ってきた人を映し出していました
年のころなら40後半労働者タイプで筋肉質な人がまさに内風呂の湯船に入ろうと
している所が見えました と言うより映し出されたのです
私達は、露天風呂から内風呂を通り脱衣所に向かいました
ふっと、浴槽を見ると誰もいません
あれ?さっきの人はどこに行ったのかなと思った瞬間全身に鳥肌が立ちました
やはり、風呂場には誰も居ません いったい私が見たのはもしかして
脱衣所では浴槽の方を振り向かず、一言も口も聞かずに浴衣を羽織って部屋に
戻ってきました
部屋に帰っても私のみた事を話す気になれなく、心の中ではきっと勘違いだったんだ
などと、自分を納得させようと必死になっていたとき、ポツリとKちゃんが口を開いた
のです 「あのー、マスター実はさっき変なものを見たんですけど」
「えっ、何?」「露天風呂から上がる時何か白いものを纏った人が入ってきた気が
したんですけど、でも浴槽には誰も入っていないし洗い場にも居なかったですよね」
まさしく、私が労働者風の人が入って来た時と同じ時刻でした
「実は、僕も見たんだ」と詳しい話をすると御互いに青ざめその夜は怖くてなかなか
寝付かれませんでした
では私達2人が見た者はいったい誰だったんでしょうか
それからです、もしかして幽霊っているのかなと思うようになったのは
平成13年7月8日
最近スーパーに行くとちょっと気に成る事が有ります
おつり銭(硬貨)渡す時、レジの女性が左手を添える事です
「少々過剰サービスでは」などと思いながらその硬貨を受け取ります
現在サービス業界の差別化はハードばかりではなくソフトの面でも新たな
マニュアル作りに迫られているのでは無いでしょうか
先日、子供にせがまれ渋々16号線沿いのファーストフードに行った時の事
食事も終り会計を済ませ様とレジに行きました
すると私の後を追うように大柄な体育界系のアルバイトの男性がレジに付きました
体格はあのポパイに出てくるブルータスそのもの
「ごちそう様 お幾らですか」
「ありがとうございます。***円になります」
思ったより高めの声が返ってきました
「はい、***円お預かり致します」
「***円のおかいしです 有難う御座いました」
とその時です
彼の太い左手が伸びてきて私の差し出した手を支える様に添えたのです
ブ、ブルータスおまえもか!